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文献概要
今月の主題 腎疾患と臨床検査 総論
臨床検査に必要な腎機能の知識
著者: 今井正1
所属機関: 1自治医科大学
ページ範囲:P.485 - P.491
文献購入ページに移動代謝産物や異物の排泄,体液量と組成の調節,ホルモン産生・分泌の3つが腎臓の主要な働きである.心拍出量の5分の1が腎血流量であり,腎血漿流量はおよそ600ml/minである.この20%が糸球体で濾過される.糸球体濾過で失われる可能性のある生体に必要な溶質は尿細管で再吸収される.糸球体で濾過されたNa+の99%以上は尿細管で再吸収される.そのしくみは近位尿細管,Henleループ,遠位尿細管,集合管のそれぞれの分節で異なり,多様である.K+の尿中排泄は摂取するK+の量によって尿細管の再吸収から分泌まで様々であるが,これには遠位側ネフロンでの調節が重要である.尿細管のH+分泌,HCO3-の輸送によって体液pHが調節される.また,腎の尿希釈・濃縮機能は体液浸透圧を一定に保つうえで重要である.〔臨床検査 50:485-491,2006〕
参考文献
1) 今井正:パワーポイントで学ぶ腎臓のはたらき.東京医学社,2004
2) 今井正:腎循環.糸球体濾過.尿細管における電解異質輸送.標準生理学 第6版(本郷利憲,広重力,豊田順一監),医学書院,pp783-795, 2005
3) 今井正:尿細管輸送体の分子機構.日本臨牀 64(増刊2):23-30, 2006
4) 今井正,谷口淳一:腎における水,ナトリウム輸送.臨床医 27:2401-2406, 2000
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7) 今井正:酸塩基平衡の調節.標準生理学 第6版(本郷利憲,広重力,豊田順一監),医学書院 pp811-813, 2005
8) 今井正:腎髄質の尿細管機能(Henleループと遠位側ネフロンの輸送機構).腎と透析 57:435-443, 2004
9) Imai M, Taniguchi J, Yoshitomi K:Osmotic work across inner medullary collecting duct accomplished by difference in reflection coefficients for urea and NaCl. Pfluegers Arch 412:557-567, 1988
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