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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻5号

2006年05月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患と臨床検査 腎疾患と臨床検査 1.腎機能推定のための検査

2) 尿細管機能を推定する臨床検査

著者: 伊西洋二1 奥田俊洋2

所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院腎臓内科 2東京大学保健センター内科

ページ範囲:P.505 - P.510

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腎尿細管は近位尿細管,Henleループ,遠位尿細管,集合尿細管より構成され,糸球体で濾過された原尿から最終的に尿を生成する複雑な機能をもつ.各部位に応じてその検査法は煩雑だが,得られる結果は必ずしも明確でなかったり臨床的意義も低く学術的意義しかないような場合もある.尿細管検査の適応には慎重さが要求される.

 近位尿細管機能の検査法としては尿中のNAGやβ2ミクログロブリン測定,欧米では尿中α1ミクログロブリンも簡便な方法として汎用されている.その他PSP排泄試験や尿細管ブドウ糖再吸収極量,尿細管PAH分泌極量,重炭酸塩負荷試験などがある.遠位尿細管・集合尿細管機能の検査法にはFishberg濃縮試験や塩化アンモニウム負荷試験などがあるが適応は限られる.〔臨床検査 50:505-510,2006〕

参考文献

1) 奥田俊洋:わかりやすい腎の構造と機能.中外医学社,2000
2) 伊西洋二,奥田俊洋:PSP排泄テスト.検査値のみかた(中井利昭編),中外医学社,pp1048-1049, 2000
3) 伊西洋二,奥田俊洋:Fishberg濃縮テスト.検査値のみかた(中井利昭編),中外医学社,pp1050-1051, 2000
4) 中山秀英:腎機能検査.腎臓内科学(小出輝,富野康日己編),文光堂,pp61-83, 1995
5) 折田義正,今井圓裕,今井宣子:腎機能検査.腎疾患診療ハンドブック(宮原正編),南江堂,pp9-19, 1984
6) 内田俊也:水電解質異常.腎臓学入門,東京医学社,pp93, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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