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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻6号

2006年06月発行

文献概要

コーヒーブレイク

追憶のわが兄

著者: 屋形稔1

所属機関: 1新潟大学

ページ範囲:P.654 - P.654

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 私は7人兄弟の末子である.一番仲が良かったのは4歳年上の四兄で,勉という名であったが通称“ムム”と呼んでいた.ムムは約30年前55歳の若さで大動脈瘤破裂で急死してしまった.当時先端企業であったコンピュータ会社の札幌支社から仙台支社へ転勤時,離任挨拶の最中に倒れ病院に運ばれたが蘇生しなかったという.本人は勿論私にとっても無念の死で,彼との記憶は生前のままで幽明処を異にしている気がしない.

 物心づいた頃から他の兄姉とは年が離れていた2人は狛犬のように朝から晩までくっついて喧嘩ばかりして母に叱られていた.彼は興奮すると頭が大きいわけでないのにすぐ転んで鼻血を出す癖があり,親達は要注意にしていた気がする.ふとんの中や家中で様々の遊びを工夫したのも昨日のような気がする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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