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今月の主題 高齢者の臨床検査値 高齢者の臨床検査値
異常変動発現率の高い検査
著者: 深津俊明1
所属機関: 1名古屋掖済会病院中央検査部
ページ範囲:P.995 - P.1001
文献購入ページに移動 高齢者では日常生活の行動能力(activity of daily living;ADL)の違いが臨床検査値に影響を及ぼし,個体差が大きくなる傾向がある.一般成人の基準値より少し外れた値を直ちに病的な異常と判断することはできない.高齢者では症状が定型的でないことも多く,臨床検査は客観的指標として有用であるが,臨床検査値と自覚症状や重症度とは必ずしも相関しないことに注意が必要である.〔臨床検査50:995-1001,2006〕
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