icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻9号

2006年09月発行

文献概要

今月の主題 高齢者の臨床検査値 高齢者の臨床検査値

臨床検査値に及ぼす生活習慣(特に食事,飲酒,喫煙との関係)

著者: 青木芳和1

所属機関: 1神奈川県予防医学協会

ページ範囲:P.1009 - P.1013

文献購入ページに移動
 食習慣,喫煙習慣,飲酒習慣,運動習慣など,日常の生活習慣の蓄積が臨床検査値に及ぼす影響を職域健診受診者を対象として調査した.その結果,食習慣のうち緑黄色野菜・果物の摂取はWBC,Hb,Hctを減少させ,魚・肉・大豆製品など高蛋白食は血圧を上昇させた.油を使った料理の摂取はγ-GT,TG,GLU,血圧を低下させた.牛乳・乳製品の摂取はBUN,TCを上昇させ,海草・小魚類の摂取はRBCを減少させたが,AST,γ-GT,血圧を上昇させた.飲酒習慣はAST,γ-GT,HDLC,BMI,血圧を上昇させた.喫煙はWBC,Hb,Hctを増加し,γ-GT,TGも増加させたが,BUN,HDLCは減少させた.そのほか,運動習慣はTGを減少させ,HDLCを増加させた.睡眠不足はRBCを減少させ,γ-GT,GLU,SBP,DBPを上昇させた.以上のように,生活習慣は臨床検査値と密接に関連していることが示唆された.〔臨床検査 50:1009-1013,2006〕

参考文献

 1) 厚生労働省総務課生活習慣病対策室:平成16年度 国民健康・栄養調査結果の概要,2006
 2) Reaven CM:Role of insulin resistance in human disease. Diabetes 37:1595-1607, 1988
 3) Kaplan KM:The deadly quartet, upper-body obesity, glucose intolerance, hyperglycemia and hypertension. Arch Intern Med 149:1514-1520, 1989.
 4) Matuzawa Y:Insulin resistance and arteriosclerosis. J Jpn Soc Int Med 84:1579-1582, 1995
 5) メタボリックシンドローム診断基準検討委員会:メタボリックシンドロームの定義と診断基準.日内誌 94:188-203, 2005
 6) 青木芳和:問診票による基準個体の選別.EBD FORUM 2001, pp41-48, 2002
 7) 佐野淳子,大野弘子,青木芳和:白血球5分類の基準範囲設定における除外基準の検討.第1報 喫煙,飲酒,加齢の影響について.医学検査 47:1199-1202, 1998
 8) 渡辺和子,倉田満,青木芳和:血清蛋白分画の基準範囲の設定について.予防医学 40:125-130, 1998
8) 渡辺和子,倉田満,青木芳和:血清蛋白分画の基準範囲の設定について.予防医学 40:125-130, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?