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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻6号

2007年06月発行

文献概要

今月の主題 骨粗鬆症と臨床検査 話題

ダイエットと骨粗鬆症

著者: 塚原典子1 江澤郁子23

所属機関: 1新潟医療福祉大学健康栄養学科 2戸板女子短期大学 3日本女子大学

ページ範囲:P.627 - P.630

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1.はじめに

 近年わが国は,若年者中心に痩身ブームで,やせ願望の強い者が多く,国民健康・栄養調査報告1)では20歳代の女性の約2割は低体重(body mass index;BMI<18.5以下のやせ)を示し,さらには10年前に比べても,20~40歳代女性で低体重が増加している現状が明らかとなっている.低体重は,とくに思春期を中心とした若年女性では,摂食障害を引き起こすなどの弊害が生じる可能性や,妊娠可能な女性の低出生体重児出産のリスクを高めることなども懸念され,大きな問題となっている.このような現状は,骨の健康にも悪影響を及ぼす深刻な問題として危惧されるところである.

参考文献

1) 厚生労働省 平成16年国民健康・栄養調査報告:健康・栄養情報研究会編,第一出版,2006
2) 丸山千寿子,伊藤桂子,木地本礼子,他:女子学生における食行動異常に関する研究(第1報)―小学生高学年より大学生までのやせ願望とダイエットについて.思春期学 11:51-56, 1993
3) 丸山千寿子,伊藤桂子,木地本礼子,他:女子学生における食行動異常に関する研究(第2報)―中学生・高校生・大学生におけるダイエット法とダイエットの動機について.思春期学 11:57-64, 1993
4) 戸田歩,丸山千寿子,塚原典子,他:若年女性における骨密度について―肥満度および栄養摂取状況に関する検討.思春期学11:167-174, 1993
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11) 榊原秀也,五来逸雄,多賀理吉,他:神経性食思不振症における骨塩量の測定.思春期学 9:186-189, 1991
12) 骨粗鬆症財団監修:老人保健法による骨粗鬆症予防マニュアル,第2版,日本医事新報社,2000
13) 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会(代表;折茂肇):骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版.ライフサイエンス出版,2006
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15) NIH骨粗鬆症コンセンサス会議声明(草案):Osteoporosis Japan 8:549-556, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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