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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻6号

2007年06月発行

文献概要

今月の表紙 腫瘍の細胞診・6

呼吸器腫瘍―2

著者: 市川美雄1 海野みちる2 坂本穆彦2

所属機関: 1杏林大学医学部附属病院病院病理部 2杏林大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.564 - P.566

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 呼吸器腫瘍-1では,原発腫瘍の大半を占める扁平上皮癌,腺癌,小細胞癌,大細胞癌について記述した.本稿の呼吸器腫瘍-2では,比較的稀な腫瘍と転移性腫瘍について記述する.


1.腺扁平上皮癌(Adenosquamous carcinoma)

 腺癌細胞と扁平上皮癌細胞が混在して出現する(図1).腫瘍細胞は,腺癌および扁平上皮癌の基準を満たすものである.

 細胞診では,扁平上皮癌細胞の細胞質内空胞や腺癌細胞の細胞質が好酸性を呈するなどの,変性による細胞質の変化をとらえて,腺扁平上皮癌と診断しないように注意が必要である.また,優位を占める悪性細胞の組織型に目が取られ,少数しかみられない組織型を見落とさないことが重要である.

参考文献

1) 荒井祐司:呼吸器領域の細胞診.細胞診を学ぶ人のために(坂本穆彦編),医学書院,pp168-173,183-185,2005
2) 日本肺癌学会編:臨床・病理 肺癌取扱い規約 第6版,金原出版株式会社,pp56-57,2003
3) 堀内啓,荒井政和,松谷章司:【細胞像の見かた 病理・血液・尿沈渣】病理 細胞像からここまでわかる 呼吸器 肺硬化性血管腫.検査と技術 32:969-971,2004
4) 堀内啓,荒井政和,松谷章司:【細胞像の見かた 病理・血液・尿沈渣】病理 細胞像からここまでわかる 呼吸器 肺過誤腫.検査と技術 32:972-974,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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