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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻6号

2007年06月発行

文献概要

海外文献紹介

Helicobacter pylori感染の検出のための生検に基づく方法の比較

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.619 - P.619

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 H. pylori感染は世界中に広がり,ヒトの半数の胃に検出され,胃炎,十二指腸潰瘍,胃癌などを引き起こす.この細菌の検査法には種々のものがあるが,著者等は生検に基づく方法の感度,特異度,陽性的中率(PPV)および陰性的中率(NPV)をH. pyloriの16S rRNA遺伝子のPCRを基準に比較した.検討対象は消化不良症状を有する患者75人(男49人,年齢17~77歳)とした.内視鏡検査中に採取した胃前庭部の試料は40%尿素溶液を含む尿素寒天培地(尿素検査),市販迅速ウレアーゼ検査,組織学的検査およびPCRにより試験した.尿素検査の感度,特異度,PPV,NPVはH. pylori感染の診断が市販迅速ウレアーゼ検査および組織学的検査でなされたときにはそれぞれ97%,86%,84%,97%であった.市販迅速ウレアーゼ検査の感度,特異度,PPV,NPVは,H. pylori感染の診断が尿素検査および組織学的検査でなされたときにはそれぞれ100%,82%,80%,100%であった.尿素検査は市販迅速ウレアーゼ検査に匹敵する性能を示し,安価で迅速なウレアーゼ検査として使用できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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