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海外文献紹介

A群β溶血性レンサ球菌により引き起こされる咽喉感染のより良い診断検査

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.625 - P.625

 レンサ球菌性咽頭炎は,主にA群β溶血性レンサ球菌(GABHS)が原因の口腔咽頭や鼻咽頭の急性感染である.この感染は急性リウマチ熱および急性レンサ球菌感染後糸球体腎炎の原因になり,この菌を確実に検出することが重要である.しかし,咽喉培養には結果に影響する因子の存在や偽陽性や偽陰性の問題がある.著者らは,咽喉培養およびASO抗体力価を基準試験として,咽喉痛患者における迅速抗原診断試験(RADT)の診断価値およびGABHSにより起こる咽喉感染の治療によく使用される抗生物質の効力を評価した.検討では,4~15歳の患者355人を対象に4つの臨床像(熱履歴,咳,扁桃滲出液,前頸リンパ節腫症)を記録し,咽喉培養とともにRADTを実施した.GABHS陽性率は咽喉培養19%,RADT 24%であった.咽喉培養を基準にすると,RADTは感度91%,特異度91%,陽性的中率73%,陰性的中率98%であったが,3あるいは4つの臨床像を有する患者の感度は97%であった.ASO抗体力価を基準にすると,RADTと咽喉培養には関係は見いだせなかった.Zithromaxは最も処方率が高く,高感受性を示した.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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