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葉酸塩およびビタミンB12の生物マーカーは血液と脳脊髄液において関連する
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部
ページ範囲:P.639 - P.639
文献購入ページに移動 脳機能に重要な微量栄養素である葉酸塩およびビタミンB12はホモシステイン(HCY)代謝の必須物質であり,HCY増加は神経および精神疾患に関係する.著者らは脳における葉酸塩およびVB12の役割について検討した.検討では,腰椎穿刺を受けた患者72人の血液と脳脊髄液(CSF)を試料としてHCY,メチルマロン酸(MMA),シスタチオニン,S-アデノシルメチオニン(SAM),S-アデノシルホモシステイン(SAH),葉酸塩およびVB12を測定した.HCY,SAH,シスタチオニンおよびホロトランスコバラミン濃度は,血清・血漿よりもCSFのほうが低値であったが,MMAおよびSAM濃度はCSFのほうが高値であった.CSFのHCY濃度は,CSFの葉酸塩(r=-0.46),SAH(r=0.48)およびアルブミン(r=0.31)および年齢(r=0.32)と有意に相関していた.CSFのMMAとホロトランスコバラミン濃度に相関はなかった.高齢はCSFのHCYとSAHの上昇およびCSF葉酸塩の低下に関係していた.血清とCSFの葉酸塩濃度の相関は血清葉酸塩濃度に依存し,血清濃度が15.7nmol/l 以上の場合には,r=0.69であった.これらの変化は低葉酸塩状態を示す重要な指標である.
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