文献詳細
文献概要
今月の主題 不整脈検査 不整脈の検査
ホルター心電図
著者: 田邉晃久1
所属機関: 1東海大学医学部循環器内科
ページ範囲:P.703 - P.708
文献購入ページに移動 ホルター心電図,イベント心電図の検査を行うにあたっては,まず良好な記録をし,正確な診断を可能とすることである.不整脈検出にあたっては,1誘導法であればP波,QRS波の大きく記録できるCM5誘導を選択する.2誘導法であればCM2誘導を追加する.イベント心電図の押し当て電極式では,発作時に患者自身が電極を自己で手掌や胸部皮膚に押し当てる.不整脈の解析にあたっては,心臓性突然死,失神,失神前状態などの誘引となる不整脈に特に注意を払う.その可能性のある不整脈が検出されたなら速やかに主治医に連絡する.イベント心電図は心電図の間欠記録で,長期間携帯中に患者が症候を自覚した際イベントボタンを押すか(patient activation:患者トリガー式),あるいはあらかじめ設定した条件の心電情報が発生するとその異常心電図がメモリされる(automatic activation:オートトリガー式)方法である.イベント心電図は頻度の低い発作性の異常の検出に有用でホルター心電図の短所を補う.
参考文献
1) 田邉晃久,加藤貴雄,早川弘一,他:携帯心電図に関する日本心電学会ステートメント.JPN J Electrocardiol 26:871-937,2006
2) 田邉晃久:誘導法の種類,各誘導法の長所と短所.わかりやすいホルター心電図,医歯薬出版,pp12-17,2001
3) Kinlay S, Leitch JW, Neil A, et al:Cardiac event recorders yield more diagnoses and are more cost-effective than 48-hour Holter monitoring in patients with palpitations:a controlled clinical trial. Ann Intern Med 124:16-20, 1996
4) Linzer M, Pritchett EL, Pontinen M, et al:Incremental diagnostic yield of loop electrocardiographic recorders in unexplained syncope. Am J Cardiol 66:214-219, 1990
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