文献詳細
文献概要
今月の主題 不整脈検査 話題
学校心臓検診と不整脈
著者: 德村光昭1
所属機関: 1慶應義塾大学保健管理センター
ページ範囲:P.774 - P.778
文献購入ページに移動1.学校心臓検診の歴史
1954年(昭和29年)に大阪市で学校健康診断の一端として始められた学校心臓検診は,その後の試行錯誤から重要性と必要性が確立し,1973年(昭和48年)の学校保健法施行規則の改定によって義務化された.さらに,1995年(平成7年)の学校保健法施行規則の改定では,小学1年生,中学1年生,高校1年生全員の心電図検査が義務化され,世界で唯一の大規模な学校心臓検診システムが完成した.
心臓超音波診断装置の普及などによって,多くの先天性心疾患や川崎病後遺症が学齢期までに把握されるようになり,学校心臓検診の主目的は以前の診断されていない心臓病(リウマチ性心臓病や先天性心疾患)の発見から,近年では心臓性突然死の予防(不整脈や心筋疾患の発見,術後心疾患児の管理)に移行している.
1954年(昭和29年)に大阪市で学校健康診断の一端として始められた学校心臓検診は,その後の試行錯誤から重要性と必要性が確立し,1973年(昭和48年)の学校保健法施行規則の改定によって義務化された.さらに,1995年(平成7年)の学校保健法施行規則の改定では,小学1年生,中学1年生,高校1年生全員の心電図検査が義務化され,世界で唯一の大規模な学校心臓検診システムが完成した.
心臓超音波診断装置の普及などによって,多くの先天性心疾患や川崎病後遺症が学齢期までに把握されるようになり,学校心臓検診の主目的は以前の診断されていない心臓病(リウマチ性心臓病や先天性心疾患)の発見から,近年では心臓性突然死の予防(不整脈や心筋疾患の発見,術後心疾患児の管理)に移行している.
参考文献
1) 日本小児循環器学会学校心臓検診研究委員会:学校心臓検診調査票の改訂.日小循誌 20:50-51,2004
2) 浅井利夫:わが国における心臓検診の実施状況,平成10年度学校心臓検診の実態調査報告から.東京都予防医学協会年報 30:27-30,2001
3) 日本小児循環器学会心電図委員会,小児心音・心電図自動解析研究小委員会:学校心臓検診 二次検診対象者抽出のガイドライン,一次検診の心電図所見から.日小循誌 12:725-730,1996
4) 日本小児循環器学会心電図委員会,小児心音・心電図自動解析研究小委員会:学校心臓検診 二次検診対象者抽出のガイドライン,一次検診の4誘導心電図所見から.日小循誌 13:723-727,1997
5) 文部科学省:児童・生徒の疾病・異常被患率等.平成7年度~18年度学校保健統計調査報告書,1996~2006
6) 文部科学省:初等中等教育機関専修学校・各種学校編統計表.平成7年度~18年度学校基本調査報告書,1996~2006
7) 浅井利夫:平成7年度~平成16年度心臓病検診の実施成績.東京都予防医学協会年報,1997~2006
8) 長嶋正實:学校心臓検診における不整脈の経時的変化.東京都予防医学協会年報 29:10-13,1998
9) 小児Brugada様心電図例の生活管理基準作成に関する研究委員会:最終報告書.日小循誌 22:687-696,2006
10) 長野美子,倉石建治,安田東始哲,他:学校心臓検診で見つかる不整脈.小児科診療 60:181-188,1997
11) Tsuji A, Nagashima M, Hasegawa S, et al:Long-term follow-up of idiopathic ventricular arrhythmias in otherwise normal children. Jpn Circulation J 59:654-662,1995
12) 小児心電図専門委員会:小児不整脈の管理基準の改定.日小循誌 4:307-309,1988
13) 日本小児循環器学会学校心臓検診研究委員会:学校心臓検診二次以降の進めかた,二次検診対象者抽出のガイドラインの心電図所見から.日小循誌 16:965-966,2000
14) 馬場國藏,深谷隆:学校心臓検診の現状と問題点.日小循誌 18:556-561,2002
掲載誌情報