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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻7号

2007年07月発行

文献概要

今月の表紙 腫瘍の細胞診・7

卵巣腫瘍―1

著者: 籏ひろみ1 海野みちる2 坂本穆彦2

所属機関: 1杏林大学病院病院病理部 2杏林大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.666 - P.668

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 卵巣腫瘍の組織分類は,発生母地による分類と,悪性度による分類が用いられている.発生母地による分類は,①表層上皮性・間質性腫瘍,②性索間質性腫瘍,③胚細胞腫瘍,④その他に分けられる.発生頻度は,表層上皮性・間質腫瘍が全腫瘍の60~70%を占め最も高く,次に胚細胞腫瘍の30%,性索間質性腫瘍の6%,その他の4%と続く.

 悪性度による分類には,良性と悪性の中間群として境界悪性borderline malignancy(低悪性度腫瘍,tumor of low malignant potential;LMP)が存在する.境界悪性腫瘍の組織学的特徴は,①上皮細胞の多層化,②腫瘍細胞集団の内腔への分離増殖,③同一細胞型における良性と悪性の中間的な核分裂活性と核異型,④間質浸潤の欠如などである.本稿では普段経験することの多い表層上皮性・間質腫瘍について述べる.

参考文献

1) 日本産科婦人科学会,日本病理学会編:卵巣腫瘍取扱い規約,金原出版,pp3-47,1990
2) 南敦子:婦人科領域の細胞診.細胞診を学ぶ人のために,第4版(坂本穆彦編),医学書院,pp132-135,pp150-153,2005
3) 石倉浩,手島伸一編:卵巣腫瘍病理アトラス,文光堂,2004
4) 上坊敏子:卵巣・卵管の疾患.細胞診のベーシックサイエンスと臨床病理(坂本穆彦編),医学書院,pp197-210,1995
5) 石井保吉,伊藤良彌:婦人科.スタンダード細胞診テキスト,第2版(水口國雄監),医歯薬出版,pp69-71,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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