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学童の過体重に対する学校の影響:学業期および夏休み中のBMIの増加
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部
ページ範囲:P.676 - P.676
文献購入ページに移動 過去20年にわたる,米国の6~11歳の学童間における過体重の発生率は5%から15%へと3倍になった.過体重は特に黒人およびスペイン系の学童間では日常化しており,彼らのおおよそ20%は現在肥満である.学童の過体重を説明するために様々な検討がなされているが,一般に過体重が学業期と休業期それぞれの影響を受けるかどうかについては不明である.著者らは学業期と休業期の環境が学童の過体重の発生に寄与するかどうかを調べるために,幼稚園と1年生の期間において,学業期のBMIの増加と夏休み中のBMIの増加とを比較した.BMIは310校の学童5,380人を対象に測定した.BMI増加率は夏休み中のほうが幼稚園および1年生の学業期よりも速く,しかも変化しやすかった.学業期と夏休み中のBMI増加率の差は黒人学童,スペイン系学童および幼稚園入園時ですでに過体重になっている学童の危険グループで特に大きかった.初期の学校環境は学校の休業期よりも過体重の発生への寄与は小さいと考えられた.
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