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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻7号

2007年07月発行

海外文献紹介

2型糖尿病におけるα-トコフェロールと混合トコフェロール補助剤の酸化ストレスおよび炎症のマーカーへの影響 フリーアクセス

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.736 - P.736

文献概要

 ビタミンE異性体は動脈硬化から生体を保護すると考えられる.著者らは2型糖尿病における酸化ストレスおよび炎症のマーカーへのα-トコフェロール(αT)およびγ-トコフェロール(γT)に富む混合トコフェロール(mT)補助剤投与の影響を比較した.検討は2型糖尿病患者に無作為に,①αT,②mT,③偽薬を6週間投与し,投与前後の細胞内トコフェロール,血漿および尿のF2-イソプロスタン,赤血球抗酸化酵素活性,血漿炎症マーカー,エイコサノイド合成について分析した.好中球のαTとγTはmT投与とともに増加したが,αTの投与後には,αTは増加し,γTは減少した.αTとmTの投与は血漿F2-イソプロスタンを減少させたが,24時間尿F2-イソプロスタンおよび赤血球抗酸化酵素活性に影響はなかった.また,血漿CRP,IL-6,TNF-α,単球chemoattractant protein 1には影響しなかった.全身の酸化ストレスを減少させるトコフェロールの作用は2型糖尿病患者におけるビタミンE補助剤投与の有効性を示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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