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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻9号

2007年09月発行

文献概要

今月の主題 フローサイトメトリー 技術・標識プローブ

DNA/RNA結合性色素

著者: 政元いずみ1 丸山征郎2

所属機関: 1鹿児島大学病院検査部 2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科血管代謝病態解析学

ページ範囲:P.927 - P.934

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 細胞周期やDNA ploidy(DA)の解析には,核酸の蛍光標識が必要である.重要なことは,蛍光色素が核酸量に比例して結合し,結合した蛍光色素がその結合量に比例した蛍光量を発することである.DNAに関しては,propidium iodide(PI)やethidium bromide(EB)が良く使用されている.これらの蛍光色素は,アルゴンレーザー(青色:488nm)に励起されるために,flow cytometry(FCM)によるDNA量の定量には欠くことのできない蛍光色素となっている.そのほかにacridine orange(AO),4´,6-diamidio-2-phenylindole(DAPI),Hoechst 33258,33342などがよく知られている.AOが結合した2重鎖核酸(DNA)と1重鎖核酸(RNA)とでは,生じる蛍光波長が異なっており,DNAとRNAを同時測定することが可能であり.細胞の活性状態を知ることができる.

参考文献

1) 佐々木功典:FACSの分子生物学への応用 細胞周期.フローサイトメトリー自由自在(中内啓光監),秀潤社,pp33-43,1998
2) 西谷巖,高橋学:試料作製法.応用サイトメトリー(天神美夫監),医学書院,pp29-37,2000
3) 佐々木功典,野村和弘,善積昇,他:フローサイトメトリー手技と実際(太田和雄監),蟹書房,pp51-95,1998
4) 第12回日本サイトメトリー学会技術講習会テキスト,2001
5) DNA Overview & DNA by CELL Quest Becton Dickinson Immunocytometory Systems
6) 大森勝之,石田敦巳,藤井由香,他:細胞内抗原解析による白血病細胞の診断.Cytometry Reserch 12:49-55, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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