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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻9号

2007年09月発行

文献概要

海外文献紹介

骨無機物バランスのマーカーとしての尿天然カルシウム同位体成分

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.985 - P.985

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 著者らはヒト尿管におけるカルシウムの天然同位体成分が正味の骨無機物バランスにおいて変化するかどうかを検討した.もし,カルシウム同位体が変化するならば,尿および血液のカルシウム天然同位体分析が他の技術ではできない骨無機物バランスにおける短期間の変化をモニターするために使用できる.カルシウム同位体成分の変化は試料と標準物質間の44Ca/40Caの千分率の差,δ44Caとして表した.研究では,骨変化を誘導するため,ベッド休息を17週間にわたり実施した.δ44Caは対照群,alendronate投与群および運動負荷群に分けた研究参加者の尿で休息前,休息中に2,3回および休息後に測定した.ベッド休息中の尿δ44Ca値は,alendronate投与群および運動負荷群で対照群よりも高値であった.尿δ44Ca平均値はalendronate投与群が正値,運動負荷群が変化なし,対照群が負値であった.この結果は脊椎動物におけるカルシウム同位体動態モデルおよび骨無機物密度データと一致していた.尿カルシウム同位体分析は臨床や研究の手段として役立つと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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