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今月の主題 結核 トピックス
クオンティフェロンTB-2G(QFT)検査の意義
著者: 鈴木克洋1 露口一成2 吉田志緒美3 坂谷光則3
所属機関: 1NHO近畿中央胸部疾患センター・感染症研究部 2NHO近畿中央胸部疾患センター・感染症研究部感染症診断・治療研究室 3NHO近畿中央胸部疾患センター
ページ範囲:P.1139 - P.1143
文献購入ページに移動クオンティフェロンTB-2G(QFT)は,結核感染の有無を診断する検査法である.従来,結核の感染診断法としては,ツベルクリン反応のみであったが,BCGとの交差反応性のため,わが国では特異度があまりにも低く役立たないことが現在明らかになっている.QFTは後述する方法によりBCGとの交差反応性をなくすことで,特異度を大幅に改善している.QFT陽性者が結核菌に感染していることは間違いない.しかし,結核菌に感染していることが,病気としての結核と同一ではない点を理解しなければならない.QFTを用いるのは感染診断のためなのか,はたまた発病診断のためなのか,この点を明確に意識して結果を解釈する必要がある.
本稿ではQFTの有効性を理解するために必要な結核の基礎知識,QFTの基本,感染診断と発病診断におけるQFTの有用性について,当院でのデータに文献的考察を加えて概説する.
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