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学会だより 第49回日本臨床細胞学会細胞学会総会
治療を見据えたこれからの細胞診
著者: 弓納持勉1
所属機関: 1山梨大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.1185 - P.1185
文献購入ページに移動 東京品川にあるグランドプリンスホテル新高輪・国際館パミールにて,安田允先生(東京慈恵会医科大学附属第三病院)を大会長に第49回日本臨床細胞学会春季大会が開催された.総参加者数が4000名を越え,一般演題も276題と盛大に行われた.また,シンポジウム,ワークショップおよび教育セミナーと,盛り沢山な内容が企画されており,非常に有意義な学会であった.
その中で,近年分子標的治療が関する教育講演や一般演題が興味深かった.これからの細胞診断は,病理診断と同様に良悪性の診断のみならず,治療の適応や治療効果の判定予測なども併せて求められることが予測される.その代表的なものに乳癌におけるHER2/neu 遺伝子異常,および肺癌におけるEGFR 遺伝子変異がある.乳癌の10~30%でHER2蛋白過剰発現,HER2/neu 遺伝子の増幅が認められる.転移性乳癌でHER2/neu 遺伝子の増幅が認められる症例はトラスツマブ(ハーセプチン)の投与適応となる.このHER2蛋白の発現は手術例で行われるのが一般的であるが,転移性乳癌では胸腹水や髄液など細胞診でのHER2蛋白発現や遺伝子増幅も求められるだろう.
その中で,近年分子標的治療が関する教育講演や一般演題が興味深かった.これからの細胞診断は,病理診断と同様に良悪性の診断のみならず,治療の適応や治療効果の判定予測なども併せて求められることが予測される.その代表的なものに乳癌におけるHER2/
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