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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻10号

2008年10月発行

文献概要

海外文献紹介

ハーフマラソン後におけるオステオカルシンおよび副甲状腺ホルモンの急激な変動

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部

ページ範囲:P.1126 - P.1126

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 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)とオステオカルシン(osteocalcin;OC)は骨再性および骨代謝の役割を担っている.これらのホルモンの生理学的機能・臨床的重要性は確立されているが,昼間や季節変動を別にした他の生物学的な変動の影響はほとんど検討されていない.特に運動後の動態に関する情報はない.著者らはハーフマラソン(21km走)競技者15人を対象にPTHおよびOCの血中ホルモン濃度を測定した.競技者らは5年以上,持続的に練習を行っている白人男性(平均年齢47歳)である.競技者は競争条件下でハーフマラソンを行い,ホルモンの動態を測定した.完走直後のホルモン濃度はOCで1.2倍,PTHで2.1倍まで上昇したが,完走3時間後には走行前の水準に戻った.各ホルモンの基準範囲を超えた競技者数は,OCは測定時間内において安定していたが,PTHでは完走直後には0人(0%)から6人(40%)に増加し,完走3時間後には全員が基準範囲内に戻った.これらの結果はハーフマラソンが急激で一時的なPTHおよびOCの増加を引き起こすことを示している.

参考文献

Lippi G, Schena F, Montagnana M, et al:Acute variation of osteocalcin and parathyroid hormone in athletes after running a half-marathon. Clin Chem 54:1093-1095, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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