文献詳細
文献概要
特集 ホルモンの病態異常と臨床検査 総論 3.ホルモンの検査
2) 検査前検査
著者: 笠原良彦1 金村茂2
所属機関: 1(株)エスアールエル東京女子医大営業部 2(株)エスアールエル臨床検査事業営業部門
ページ範囲:P.1119 - P.1125
文献購入ページに移動ホルモン検査項目には,検体採取の条件によって大きく成分の値が変化するものや測定までの検体の処置によって大きく成分の値が変化するものが存在する.臨床検査によって得られたホルモン成分の値は,検体を採取したときの目的成分の濃度を確実に反映することが必要であることから,検体の採取から測定までの取り扱いを的確に行うことが必要となってくる.たとえ厳密な測定が行われても検体採取時の目的成分の濃度が測定までの間に変化していたのでは,臨床に役立つどころか間違った診断や処置を誘発することになりかねない.測定まで検体採取時の生体内での目的成分を保持させるためには,検体の採取容器の選択,血清(血漿)分離のタイミングや分離の条件,検体の前処置,検体保存条件などに十分な注意を払わなければならない.
ここでは,ホルモン検査における患者の準備から検体採取のタイミングと採取容器の選択,検体採取後の検体の取り扱いなど,検査前のホルモン成分のデータ変動要因について解説する.
参考文献
掲載誌情報