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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 ホルモンの病態異常と臨床検査 総論 3.ホルモンの検査

2) 検査前検査

著者: 笠原良彦1 金村茂2

所属機関: 1(株)エスアールエル東京女子医大営業部 2(株)エスアールエル臨床検査事業営業部門

ページ範囲:P.1119 - P.1125

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はじめに

 ホルモン検査項目には,検体採取の条件によって大きく成分の値が変化するものや測定までの検体の処置によって大きく成分の値が変化するものが存在する.臨床検査によって得られたホルモン成分の値は,検体を採取したときの目的成分の濃度を確実に反映することが必要であることから,検体の採取から測定までの取り扱いを的確に行うことが必要となってくる.たとえ厳密な測定が行われても検体採取時の目的成分の濃度が測定までの間に変化していたのでは,臨床に役立つどころか間違った診断や処置を誘発することになりかねない.測定まで検体採取時の生体内での目的成分を保持させるためには,検体の採取容器の選択,血清(血漿)分離のタイミングや分離の条件,検体の前処置,検体保存条件などに十分な注意を払わなければならない.

 ここでは,ホルモン検査における患者の準備から検体採取のタイミングと採取容器の選択,検体採取後の検体の取り扱いなど,検査前のホルモン成分のデータ変動要因について解説する.

参考文献

1) 中井利昭,武越一博:サンプリングの実際―検体の採取と前処理―適切な検体採取時間.Medical Technology 22:185-186, 1994
2) 井川幸雄:体位で変動する検査値.臨床検査Q & A・臨床検査総論(河合忠,他),金原出版,pp25-26, pp51-59, 1985
3) 橋本琢磨:運動負荷テスト時におけるホルモン値の変動とbiochemical indicesの相関.ホルモンと臨床 40:715-723,1992
4) 石井暢(監):検査値の経時的変動,改訂第3版.エスアールエル,2004
5) 金村茂:検体取り扱いの標準化.医学検査 40:1885-1889,1991
6) 金村茂:血液検査の保存と検査値の変化.検査と技術 29:1433-1439,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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