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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 ホルモンの病態異常と臨床検査 各論Ⅰ ホルモンの病態異常と検査 1.下垂体前葉

5) ACTH

著者: 照井健1 須田俊宏1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座

ページ範囲:P.1197 - P.1202

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緒言

 ACTHとは,adrenocorticotropic hormone(副腎皮質刺激ホルモン)の略で,視床下部-下垂体-副腎系の中核をなす下垂体前葉ホルモンである.これは,視床下部からの命令を末梢の副腎に伝える重要な役割を有している.すなわち,視床下部から分泌された副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone;CRH)が下垂体のACTH産生細胞に働いてACTH産生と分泌を促進し,さらにACTHが副腎皮質に働き,コルチゾールを主体とした副腎皮質ホルモンの産生と分泌を促進する.

 血中ACTHの測定はコルチゾール分泌異常の診断に有用であり,コルチゾールと同時採血を行うことで,より詳細な情報を得ることができる.

参考文献

1) 須田俊宏:ACTHの最新の知見.脳神経外科学会誌 6:174-179,1997
2) 須田俊宏:ACTH・糖質ステロイド.ホルモンと臨床50(春季増刊 内分泌機能検査の実際):29-37,2002
3) 二川原健:視床下部-下垂体-副腎系(1).臨床内分泌・代謝学(須田俊宏編),弘前大学出版会,pp123-130,2007
4) 須田俊宏,二川原健,崎原哲,他:Pre(sub)-clinical Cushing病の診断基準に関する検討.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業間脳下垂体機能障害に関する調査研究平成18年度総括・分担研究報告書(千原和夫編),厚生労働省,pp44-49,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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