文献詳細
特集 ホルモンの病態異常と臨床検査
各論Ⅰ ホルモンの病態異常と検査 7.副腎
文献概要
構造,産生,分泌
ヒトのグルココルチコイドはコルチゾールであり図1のような構造をしている.コレステロールを原料にして合成される.ステロイド核の3位の炭素(C-3)とC-20にケト基,C-11,C-17,C-21に水酸基が結合しており,C-4とC-5の間が二重結合になっている.
コルチゾールは主として副腎皮質束状層において合成されるが,その合成分泌は下垂体副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone;ACTH)により促進的調整を受ける.副腎皮質からのコルチゾールの分泌は視床下部-下垂体-副腎皮質系により巧妙に調節されている.すなわち下垂体のACTH分泌は視床下部のコルチコトロピン放出因子(corticotropin-releasing factor;CRF)により刺激され,副腎皮質からのコルチゾール分泌はACTHにより促進される.また,コルチゾールはネガティブフィードバック機構によりCRFおよびACTHの分泌を抑制的に調節している.さらに視床下部は上位の大脳中枢および大脳辺緑系の調節を受け,その影響を受けてACTH-コルチゾール系の日内変動やストレス時などの反応機構を形成する.正常人において通常24時間に分泌されるコルチゾールは20mg程度とされ,強力なストレス下では100~300mg程度に増加する.
ヒトのグルココルチコイドはコルチゾールであり図1のような構造をしている.コレステロールを原料にして合成される.ステロイド核の3位の炭素(C-3)とC-20にケト基,C-11,C-17,C-21に水酸基が結合しており,C-4とC-5の間が二重結合になっている.
コルチゾールは主として副腎皮質束状層において合成されるが,その合成分泌は下垂体副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone;ACTH)により促進的調整を受ける.副腎皮質からのコルチゾールの分泌は視床下部-下垂体-副腎皮質系により巧妙に調節されている.すなわち下垂体のACTH分泌は視床下部のコルチコトロピン放出因子(corticotropin-releasing factor;CRF)により刺激され,副腎皮質からのコルチゾール分泌はACTHにより促進される.また,コルチゾールはネガティブフィードバック機構によりCRFおよびACTHの分泌を抑制的に調節している.さらに視床下部は上位の大脳中枢および大脳辺緑系の調節を受け,その影響を受けてACTH-コルチゾール系の日内変動やストレス時などの反応機構を形成する.正常人において通常24時間に分泌されるコルチゾールは20mg程度とされ,強力なストレス下では100~300mg程度に増加する.
参考文献
1) 柳瀬敏彦:コルチゾール,コルチゾン,尿中遊離コルチゾール.日本臨牀 63:303-306, 2005
2) 柳瀬敏彦,名和田新:これだけは知っておきたい検査のポイント第5集―コルチゾール.medicina 31:393-395, 1994
3) 成瀬光栄,立木美香,田辺昌代:副腎皮質機能低下症の診断とコルチゾール測定感度.日本内科学会雑誌 97:716-723, 2008
掲載誌情報