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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 ホルモンの病態異常と臨床検査 コラム

摂食と体内リズム

著者: 安倍博1

所属機関: 1福井大学医学部形態機能医科学講座 行動基礎科学領域

ページ範囲:P.1242 - P.1242

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 “食事時間が体内時計をリセットできるか?”

 サーカディアンリズムの昼夜周期への同調は,特定時刻の光が体内時計をリセット(位相変位)することで生じる.同じメカニズムで,食事時間が体内時計をリセットできるのかどうか(体内時計の摂食周期への同調)は,生体リズム研究の課題の一つである.しかし,従来のラットなどの研究では,体内時計中枢である視交叉上核(suprachiasmatic nucleus;SCN)の振動体(中枢時計)は,摂食周期(restricted feeding,摂食を一定時刻の数時間に制限するスケジュール)により影響を受けない.一方,SCN外に存在するとされる第2の時計(末梢時計)は摂食周期に同調する.これらのことは,摂食周期下での行動リズムやPer1などの時計遺伝子リズムから確かめられている1).摂食に同調する末梢時計の局在は,最近では視床下部背内側核(dorsomedial hypothalamic nucleus;DMH)が有力候補であるとする報告がある2)が,反論もあり,まだ確証はない1)

参考文献

1) Mendoza J:Circadian clocks:setting time by food. J Neuroendocrinol 19:127-137, 2006.
2) Gooley J, Schomer A, Saper CB:The dorsomedial hypothalamic nucleus is critical for the expression of food-entrainable circadian rhythms. Nat Neurosci 9:398-407, 2006.
3) Abe H, Honma S, Honma K:Daily restricted feeding resets the circadian clock in the suprachiasmatic nucleus of CS mice. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 292:R607-R615, 2007.
4) Kohsaka A, Laposky AD, Ramsey KM, et al:High-fat diet disrupts behavioral and molecular circadian rhythms in mice. Cell Metab 6:414-421, 2007.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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