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特集 ホルモンの病態異常と臨床検査 各論Ⅱ 多臓器,組織におけるホルモン相互間作用
5.水代謝の調節
著者: 石川三衛1
所属機関: 1自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科
ページ範囲:P.1343 - P.1346
文献購入ページに移動はじめに
体内の水分は体重の約60%を占める.これは細胞内液と細胞外液として存在し,細胞内液は全水分量の2/3,細胞外液はその1/3である.水代謝はこの水分の出納および体内分布をつかさどる調節系である.体内に入る水分は,経口的に摂取する水や食物の水分,体内での栄養素のエネルギー転換に伴う燃焼水である.一方,体外へ失われる水分は,尿・大便・汗や不感蒸発によるものが挙げられる.生体の水代謝調節は,尿濃縮と飲水行動による.尿凝縮は,腎の高張能維持とバゾプレシン(vasopressin;AVP)の分泌と腎作用に依存する.腎糸球体で濾過される水分は1日約150lに達するが,その90%が近位尿細管およびヘンレの下行脚で受動的に再吸収される.残りの10%が集合尿細管でAVPの作用により能動的に再吸収される.また,飲水は渇中枢を介して行われる.
体内の水分は体重の約60%を占める.これは細胞内液と細胞外液として存在し,細胞内液は全水分量の2/3,細胞外液はその1/3である.水代謝はこの水分の出納および体内分布をつかさどる調節系である.体内に入る水分は,経口的に摂取する水や食物の水分,体内での栄養素のエネルギー転換に伴う燃焼水である.一方,体外へ失われる水分は,尿・大便・汗や不感蒸発によるものが挙げられる.生体の水代謝調節は,尿濃縮と飲水行動による.尿凝縮は,腎の高張能維持とバゾプレシン(vasopressin;AVP)の分泌と腎作用に依存する.腎糸球体で濾過される水分は1日約150lに達するが,その90%が近位尿細管およびヘンレの下行脚で受動的に再吸収される.残りの10%が集合尿細管でAVPの作用により能動的に再吸収される.また,飲水は渇中枢を介して行われる.
参考文献
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