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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻12号

2008年11月発行

文献概要

今月の表紙 臨床微生物検査・11

ビブリオ・ブルニフィカス

著者: 栁原克紀1 木谷貴嘉1 松田淳一1 泉川公一2

所属機関: 1長崎大学医学部歯学部附属病院検査部 2長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科

ページ範囲:P.1384 - P.1385

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1.はじめに

 ビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio vulnificusV. vulnificus)は腸炎ビブリオに類似した性質を持つコンマ状ビブリオである.河口付近の海水と真水が交わる汽水域に生息しており,水温が20℃を超えると検出されやすくなる.夏期に海産物を生食することにより発症し,敗血症や壊死性筋膜炎など重症感染症を引き起こす.免疫不全宿主,慢性肝疾患ならびに鉄欠乏貧血などで鉄剤を内服している人などのリスクが高い.九州地方をはじめとする西日本地区で多くの症例が報告されているが,症状の進行が極めて早く,死亡する症例も多いため,迅速かつ適切な対応が必要である.

参考文献

1) 泉川公一,玻座真博明,泉川欣一,他:既に死亡の状態で来院したVibrio vulnificus感染症の1例.感染症学雑誌 73:1159-1162,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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