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今月の主題 輸血の安全管理 各論:安全な輸血医療と輸血検査
抗体保有患者の検査と適合血選択:赤血球型検査ガイドライン(平成15年輸血学会会告Ⅷ)を含む
著者: 稲葉頌一1
所属機関: 1神奈川県赤十字血液センター
ページ範囲:P.187 - P.189
文献購入ページに移動 適合血の選択は安全な輸血医療の第一歩である.わが国ではABO不適合は医療過誤と認識されているので,実態よりはるかに報告が少なく,危険性が過小評価されている.一方,不規則抗体による不適合の半数は実際には溶血を生じない冷式や自己抗体であり,必要のない適合血選択が技師の負担になっている.37℃間接抗グロブリン試験で検出される場合にのみ,適合血を日赤と協力して選択すればよい.カード法による交差試験は検査のトレーサビリティが担保できる点で優れている.
参考文献
1) 柴田洋一,稲葉頌一,内川誠,他:ABO型不適合輸血実態調査の結果報告.日輸血会誌 46:545-564, 2000
2) 藤井康彦,松崎道男,宮田茂樹,他:ABO型不適合輸血の発生原因による解析.日本輸血・細胞治療学会雑誌 53:374-382, 2007
3) SHOT report 2006. http://www.shotuk.org/home.htm
4) 日本麻酔科学会偶発症例調査2003.麻酔 54:77-86, 2005
5) 危機的出血対応ガイドラインについて.http://www.anesth.or.jp/news/000718.html (日本麻酔科学会ホームページ.2007年04月13日掲載) 危機的出血対応ガイドライン.http://www.yuketsu.gr.jp/information/2007/kikitekiGL.pdf/ (日本輸血・細胞治療学会ホームページ.2007年4月18日掲載)
6) 藤井フサ子,金城和美,中田弘,他:九州大学医学部附属病院における不規則抗体陽性率の実際.日輸血会誌 43:364-368, 1997
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