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IGF-1およびレプチンは出生時の胎児HDLコレステロールに関係する:1型糖尿病母親の子における解析

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.182 - P.182

 1型糖尿病母親の子(OT1DM)では,子宮において脂肪沈着の増加,高インスリン血症,高レプチン血症が証明されている.著者らは出生時に母親の糖尿病の臍帯脂質への影響および生体成分,臍帯インスリン,レプチン,その他のホルモン値との関係についてOT1DM139人と対照48人を対象として検討した.総コレステロール,HDLコレステロールおよび遊離脂肪酸濃度は男子OT1DMにおいて有意に低値であった.臍帯脂質はOT1DMの出生体重とは関係なく,胎児インスリンと一致する関係を示さなかった.予想とは異なり,IGF-1は男女の対照およびOT1DMにおいてHDLコレステロールとは正の相関を,中性脂肪とは負の相関を示した.OT1DMにおいてはレプチンも独立的にHDLコレステロールと負の相関を示した.母親の糖尿病は男子胎児の脂質濃度の変動に関係しており,インスリンよりはむしろIGF-1,レプチンおよび男性であることが子宮におけるHDLコレステロールおよび中性脂肪の主要な決定因子であると考えられる.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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