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Beta-trace proteinを用いるGFRを推定するための新しい計算式
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部
ページ範囲:P.194 - P.194
文献購入ページに移動 Beta-trace protein(BTP)は低分子量の糖蛋白質であり,血清クレアチニンよりも高感度のGFRのマーカーである.BTPの有用性はBTPをGFRに変換するための計算式がないことにより制限されている.著者らは163人の安定した成人腎臓移植者においてBTPとテクネチウム化合物によるGFRの測定を行い,BTPをもとにしたGFRの計算式を考案した.体表面積補正したGFRの予測は逐次多変量回帰モデルにより行った.計算の変量には,BTP,尿素,性別,アルブミン,クレアチニン,年齢および人種を選択した.変量がBTPのみではGFRの変動の75.6%しか説明できなかったが,すべてを変量に含むモデルでは,最も高い決定係数(R2=0.821)が得られた.しかし,BTP,尿素および性別を変量としたときにも,決定係数はわずかに低いR2=0.81であり,計算式として,GFR=112.1×BTP-0.662×Urea-0.280×(0.88女性ならば)が得られた.尿素に代えてクレアチニンを変量としたときには,決定係数はR2=0.79であり,計算式として,GFR=1.678×BTP-0.758×creatinine-0.204×(0.871女性ならば)が得られた.BTPを含む簡単な式でGFRが予測できる.
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