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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻2号

2008年02月発行

文献概要

海外文献紹介

乾燥血液スポットにおけるレチノール結合蛋白質の安定性

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.204 - P.204

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 レチノール結合蛋白質(RBP)はビタミンAの状態を決定するレチノールの代理マーカーである.最近開発されたRBP測定の酵素免疫測定法は血清または乾燥血液スポット(DBS)として保存された全血を用いる.しかし,DBSにおけるRBPの安定性は検討されていない.そこで,著者らは北ケニアの野外と検査室においてRBPの安定性について検討した.検査室では,指穿刺により採取され,乾燥剤入りプラスチックバッグに密閉保存されたDBS63例を種々の温度と時間〔(a)対照,(b)30℃/7日,(c)30℃/14日,(d)30℃/28日,(e)4℃/38日〕で暴露をした.野外では,50ペアのDBSおよび血清をケニア人の静脈血から得て,DBSは12~28℃で13~42日間乾燥剤入りプラスチックバッグに密閉保存し,血清は-20℃~-70℃で保存した.検査室において,30℃で保存したDBSのRBPは2.4週間安定であったが,4℃/38日間の保存では対照以下の値に低下した.野外条件下では,RBPは2~6週間は安定であり,比較的高い周囲温度でも保存に耐え,血清の採取や保存が困難な地域の人々のビタミンAの正確な評価を容易にする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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