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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻5号

2008年05月発行

文献概要

今月の主題 自己免疫疾患の診断 話題

自己免疫疾患と肺高血圧症

著者: 片山雅夫1

所属機関: 1国立病院機構名古屋医療センター膠原病内科

ページ範囲:P.569 - P.572

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1.はじめに

 肺高血圧症(pulmonary hypertension;PH)は肺動脈圧が異常に高い状態であり,WHOの定義では「右心カテーテル法による平均肺動脈圧が安静時に25mmHg以上のもの」とされている.PHは進行すると右心不全をきたす予後不良の疾患と捉えられている.PHは稀な疾患と考えがちだが,自己免疫疾患の代表的疾患である膠原病においては高率にPHを合併することが知られている.欧米ではlimited typeの強皮症(systemic sclerosis;SSc)で最も発現頻度が高く,予後も悪いことが報告されている.一方,日本においては混合性結合組織病(mixed connective tissue disease;MCTD)で合併率が高く,MCTDにおいてPHは予後を規定する最大の合併症である.PHは膠原病のみでなく,発生頻度に差はあるが広く自己免疫疾患に伴ってみられることが知られている.しかし,誌面の都合上,本稿では膠原病性PHを中心にその診断と治療について概観していきたい.

参考文献

1) Simonneau G, Galie N, Rubin LJ, et al:Clinical classification of pulmonary hypertension. J Am Coll Cardiol 43:5S, 2004
2) Karmochkine M, Cacoub P, Dorent R, et al:High prevalence of antiphospholipid antibodies in precapillary pulmonary hypertension. J Rheumatol 23:286-290, 1996
3) 東条毅,秋谷久美子,鳥飼勝隆,他:膠原病四疾患における肺高血圧症の頻度に関する全国疫学調査,厚生省特定疾患皮膚・結合組織疾患調査研究班混合性結合組織病分科会平成10年度研究報告書,pp3-6,1999
4) 吉田俊治:難治性心肺病変,肺高血圧症.全身性自己免疫疾患における難治性病態の診療ガイドライン,厚生労働科学研究費免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業全身性自己免疫疾患における難治性病態の診断と治療法に関する研究(三森経世編),pp38-43,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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