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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻5号

2008年05月発行

文献概要

海外文献紹介

呼気凝縮物中のH2O2定量の高感度化学発光法

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部

ページ範囲:P.594 - P.594

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 H2O2は酸化剤と抗酸化剤が不均衡となる酸化ストレスの推定上のバイオマーカーである.著者らは呼気凝縮物中のpicomol/lレベルのH2O2を高感度,選択的,簡便,迅速に定量する新規のフローインジェクション化学発光(FI-CL)法を開発した.このFI-CL法は他の金属イオンや西洋ワサビのペルオキシダーゼ(horse radish peroxidase;HRP)に干渉されない,複合体K5[Cu(HIO6)2]により触媒されたアルカリ媒体中において,低濃度のルミノール(10-7mol/l)が低濃度のH2O2(<10-8mol/l)により酸化される反応に基づいている.至的条件下では,1.0×10-10~1.0×10-8mol/lの範囲のH2O2が定量でき,その検出限界(3σ)は4.1×10-11mol/lであった.5mmol/l H2O2の相対標準偏差(RSD)は3.2%,添加回収率は97.8~102.0%であった.本法でリウマチおよび健康なボランティアの呼気凝縮物中の痕跡量のH2O2を直接定量したところ,リウマチ群(n=11)と健康者群(n=11)のH2O2濃度には統計学的有意差が認められ,前者のほうが高値であった.9時30分~16時30分にかけてのH2O2の日内変動は14時30分頃にピークを迎え,女性よりも男性のほうが高値であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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