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文献概要
今月の主題 アスベストと中皮腫 各論(アスベストの診断・中皮腫の診断)
組織診―免疫組織化学的特徴による診断
著者: 木村伯子1
所属機関: 1国立病院機構函館病院臨床検査科
ページ範囲:P.1003 - P.1007
文献購入ページに移動 中皮腫の確定診断のためには,免疫染色を行って鑑別診断をする必要がある.免疫染色パネルと呼ばれる多数の抗体の一覧表の中で抗体の感度と特異度の高いものを使う.最少で有用な組み合わせはCAM5.2またはCK5/6,vimentin,calretinin,D2-40である.D2-40は自動免疫染色装置で染色すると感度が落ちるのでマニュアル染色が推奨される.上皮型のほとんどは上記組み合わせで診断が可能である.肉腫型の場合は,サイトケラチン陽性が決め手になるが,陰性の場合は診断が困難である.
参考文献
1) 木村伯子,富永循哉,濱光,他:腹水で発症した腹膜中皮腫の症例.アスベスト関連疾患 日常診療ガイド アスベスト関連疾患を見逃さないために 増補改訂版(独立行政法人労働者健康福祉機構編),労働調査会,pp45-47,2006
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3) Kimura N, Kimura I:Podoplanin as a marker for mesothelioma. Pathol Int 55:83-86, 2005
4) 木村伯子,豊田隆謙:中皮腫の新しいマーカー:ポドプラニン-迅速で確実な診断を求めて.呼吸 25:682-686,2006
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