icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査 各論 1.様々な環境下での施設内感染制御

3) 易感染患者用病室(無菌病室)における感染制御

著者: 森毅彦1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部血液内科

ページ範囲:P.1309 - P.1312

文献購入ページに移動
はじめに

 1970年代に米国において第一例目の骨髄移植が施行されて以来,高度な免疫抑制状態にある骨髄移植患者(最近では骨髄移植に加えて,末梢血幹細胞移植,臍帯血移植なども加わり,造血幹細胞移植という表現で総称している.)は感染予防の観点から無菌管理の中で治療を受けてきている.その際に患者が隔離される病室が「無菌病室」である.現在,わが国ではある一定基準を満たした無菌病室は急性白血病を中心とした特定の疾患の治療で使用する場合は健康保険適用上,「無菌治療室管理加算」が認められており,多くの施設において使用されている.

 本稿では主に造血幹細胞移植における無菌病室の利点および現状について述べる.

参考文献

1) Passweg JR, Rowlings PA, Atkinson KA, et al:Influence of protective isolation on outcome of allogeneic bone marrow transplantation for leukemia. Bone Marrow Transplant 21:1231-1238, 1998
2) Centers for Disease Control and Prevention;Infectious Diseases Society of America;American Society of Blood and Marrow Transplantation. Guidelines for preventing opportunistic infections among hematopoietic stem cell transplant recipients. Biol Blood Marrow Transplant 6:659-713, 715, 717-727, 2000
3) アメリカ合衆国国立疾病対策センター,矢野邦夫訳:造血幹細胞移植患者の日和見感染予防のためのCDCガイドライン―EBM実践のために,メディカ出版,2001
4) 造血幹細胞移植ガイドライン―移植後早期の感染管理.日本造血細胞移植学会,2000
5) Herbrecht R, Denning DW, Patterson TF, et al:Voriconazole versus amphotericin B for primary therapy of invasive aspergillosis. N Engl J Med 347:408-415, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?