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特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査 各論 2.微生物別の種類別にみた施設内感染制御
3) 真菌 コクシジオイデス
著者: 亀井克彦1
所属機関: 1千葉大学真菌医学研究センター病原真菌研究部門真菌感染分野
ページ範囲:P.1395 - P.1399
文献購入ページに移動コクシジオイデス症とは何か
コクシジオイデス症とは真菌の一種であるコクシジオイデス(Coccidioides immitis あるいはC. posadasii )による感染症である.コクシジオイデスは日本国内には生息していない真菌であり,コクシジオイデス症は輸入感染症(この場合は,輸入真菌症)として扱われる.わが国ではこれまでに約60例の報告があるが1),15年ほど前から増加が始まり,近年は毎年数例がコンスタントに報告されるようになった2).
原因菌であるコクシジオイデスは真菌のなかでも特別に感染力が強く(BSL3),病原体としては第3種に指定され,また,本菌による感染症(コクシジオイデス症)は第4類に指定されているため,コクシジオイデスの保管,取扱いはあらかじめ許可を得た施設で行うとともに,コクシジオイデス症を診断した医療施設には,すべての症例を報告する義務がある.流行地はアメリカのカリフォルニア,アリゾナを中心とした周辺の地域と,隣接したメキシコが多い.しかし報告は少ないものの,流行地域自体はアルゼンチン,ブラジルなど中南米に広範に及んでいる.これほどの病原性をもつ菌でありながら,外見上は発育が進むまで全く特徴がなく,ごくありふれた菌にみえる(図1).
コクシジオイデス症とは真菌の一種であるコクシジオイデス(
原因菌であるコクシジオイデスは真菌のなかでも特別に感染力が強く(BSL3),病原体としては第3種に指定され,また,本菌による感染症(コクシジオイデス症)は第4類に指定されているため,コクシジオイデスの保管,取扱いはあらかじめ許可を得た施設で行うとともに,コクシジオイデス症を診断した医療施設には,すべての症例を報告する義務がある.流行地はアメリカのカリフォルニア,アリゾナを中心とした周辺の地域と,隣接したメキシコが多い.しかし報告は少ないものの,流行地域自体はアルゼンチン,ブラジルなど中南米に広範に及んでいる.これほどの病原性をもつ菌でありながら,外見上は発育が進むまで全く特徴がなく,ごくありふれた菌にみえる(図1).
参考文献
1) 千葉大学真菌医学研究センター:輸入真菌症患者発生最新状況.http://www.pf.chiba-u.ac.jp/top/yunyuu.html(2009年8月24日参照)
2) Kamei K, Sano A, Kikuchi K, et al:The trend of imported mycoses in Japan. J Infect Chemother 9:16-20, 2003
at Amerindian middens in California. Appl Microbiol 27:379-388, 1974
4) Gehlbach SH, Hamilton JD, Conant NF:Coccidioidomycosis. An occupational disease in cotton mill workers. Arch Intern Med 131:254-255, 1973
5) Desai SA, Minai OA, Gordon SM, et al:Coccidioidomycosis in non-endemic areas:a case series. Respir Med 95:305-309, 2001
6) Ogiso A, Ito M, Koyama M, et al:Pulmonary coccidioidomycosis in Japan:case report and review. Clin Infect Dis 25:1260-1261, 1997
7) Kohn GJ, Linné SR, Smith CM, et al:Acquisition of coccidioidomycosis at necropsy by inhalation of coccidioidal endospores. Diagn Microbiol Infect Dis 15:527-530, 1992
8) El-Ani AS, Elwood CM:A case of coccidioidomycosis with unique clinical features. Arch Intern Med 138:1421-1422, 1978
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