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文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査 各論 3.感染制御に必要な微生物検査の知識とポイント

1) グラム染色

著者: 川上小夜子1 斧康雄2 宮澤幸久13

所属機関: 1帝京大学医学部附属病院中央検査部 2帝京大学医学部附属病院微生物学講座 3帝京大学医学部附属病院臨床病理学講座

ページ範囲:P.1449 - P.1453

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はじめに

 Gram(グラム)染色は,デンマークの内科医Hans Christian Joachim Gramによって1884年に考案された細菌の染色法で,染色性と形態からおおまかな菌種の推定が可能である.近年では,ガイドラインなどで病巣の塗抹検査を重視する記載が増えたことや,診療報酬の改訂が追い風となって,感染症治療における抗菌薬の適正使用を行うための迅速診断法としての有用性が認識されている.

 本稿では,グラム染色法のコツと,感染制御に役立つ塗抹鏡検法について概説する.

参考文献

1) 石垣しのぶ,川上小夜子,指田陽子,他:検体保存による塗抹所見への影響.検査と技術 37(増刊号):913-915,2009
2) 川上小夜子,斧康雄,宮澤幸久:薬剤の影響-去痰薬.検査と技術 37(増刊号):927-930,2009
3) Bartlett JG, Fingold SM:Bacteriology of expectorated sputum with quantitative culture and wash technique compared to transtracheal aspirates. Am Rev Respir Dis 117:1019-1027, 1978
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6) 厚川喜子,石垣しのぶ,川上小夜子,他:新規に開発された小型自動染色装置GS-20Aにおけるグラム染色性の評価,日本臨床微生物学雑誌 19:142-147,2009
7) 川上小夜子,斧康雄,宮澤幸久:感染症別検査法の整理2尿路感染症.感染症診断に必要な微生物検査(菅野治重,川上小夜子監),ライフサイエンス,pp22-32,2003
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10) 川上小夜子,斧康雄,宮澤幸久:見直されるグラム染色,5.尿検体のグラム染色.Medical Technology 37:936-940,2009
11) 川上小夜子,斧康雄:塗抹検査その2.検査と技術 34:776-778,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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