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文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査 各論 3.感染制御に必要な微生物検査の知識とポイント

2) 血液培養

著者: 金山明子1 小林寅喆1

所属機関: 1東邦大学医学部看護学科感染制御学

ページ範囲:P.1454 - P.1459

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はじめに

 血流感染症は死亡率の高い感染症であり,起炎菌,感染巣,患者の背景によっては40%を超すグループも認められる1,2).このため感染早期に行う経験的治療に引き続き,起炎菌決定後は感受性が確認された抗菌薬に絞り込み治療を行わなくてはならない(de-escalation).このようなことから血液培養検査は,微生物検査の中では髄液検査と並び,極めて重要度が高い検査である.一方で血液培養検査は採血から結果の解釈までのすべての工程において起炎菌の検出に影響を及ぼす要素を有しており,本検査にかかわる医療従事者はこれらを理解し検査を施行しなくてはならない.本稿では,微生物検査室で行う血液培養検査の内容を中心に,関連する事項も踏まえながら注意すべき点を述べる.

 図に自動血液培養装置を使用した場合の血液培養検査のフローを示した.

参考文献

1) 青木泰子,岩田敏,荘司路,他:血液培養陽性例をtargetとした感染症サーベイランス―1年間の成績,および,市中感染症と病院感染症の比較.感染症学雑誌 77:211-218,2003
2) Weinstein MP, Towns ML, Quartey SM, et al:The clinical significance of positive blood cultures in the 1990s:a prospective comprehensive evaluation of the microbiology, epidemiology, and outcome of bacteremia and fungemia in adults. Clinical Infect Dis 24:584-602, 1997
3) 小林寅喆,福井康雄,寺澤優代,他:当院ICTからの要請によって実施された血液培養検査に関する検討.環境感染 22:186-188,2007
4) Clinical and Laboratory Standards Institute:Principles and procedures for blood cultures;approved guideline M47-A. Wayne, Pennsylvania, pp4-20, 2007
5) 小林寅喆,山本真理子,長谷川美幸,他:血液培養ボトルの自動培養装置への装填遅延が判定結果へ及ぼす影響.感染症学雑誌 78:959-966,2004
6) Søgaard M, Nøgaard M, Schønheyder HC:First notification of positive blood cultures and the high accuracy of the gram stain report. J Clin Microbiol 45:1113-1117, 2007
7) American Society for Microbiology:Clinical Microbiology Procedures Handbook, 2nd ed, ASM Press, 2007
及びその類縁菌の分離培養と簡便同定法に関する検討.感染症学雑誌 81:700-706,2007
9) 大城健哉,内間かおる,大城涼子,他:血液培養より検出されるcoagulase-negative staphylococciの陽性検出時間を用いた有意菌判断基準の設定.日本臨床微生物学雑誌 14:177-182,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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