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特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査 各論 3.感染制御に必要な微生物検査の知識とポイント
4) 尿検査
著者: 高橋俊司1
所属機関: 1市立札幌病院検査部検体検査課
ページ範囲:P.1465 - P.1468
文献購入ページに移動はじめに
尿路感染症は病院感染症のなかで最も多く,米国の報告では病院感染症の40%を占め,その66~86%が尿道に留置されたカテーテルが起因となった尿路感染症,いわゆる尿道カテーテル関連尿路感染(catheter-associated urinary tract infections;CAUTI)である1).
留置した尿道カテーテルは表面に細菌バイオフィルムが形成されて,抗菌薬に抵抗性を示すことが知られている.そのバイオフィルムは,尿路感染症治療の難治性因子となって持続性感染が成立し,耐性菌が定着することで病院感染の汚染源(リザーバー)になる.
病院感染において尿を材料とする微生物検査は,尿路感染症診療はもちろんCAUTIを考慮した感染制御の視点からも有用な情報を提供することが重要である.
尿路感染症は病院感染症のなかで最も多く,米国の報告では病院感染症の40%を占め,その66~86%が尿道に留置されたカテーテルが起因となった尿路感染症,いわゆる尿道カテーテル関連尿路感染(catheter-associated urinary tract infections;CAUTI)である1).
留置した尿道カテーテルは表面に細菌バイオフィルムが形成されて,抗菌薬に抵抗性を示すことが知られている.そのバイオフィルムは,尿路感染症治療の難治性因子となって持続性感染が成立し,耐性菌が定着することで病院感染の汚染源(リザーバー)になる.
病院感染において尿を材料とする微生物検査は,尿路感染症診療はもちろんCAUTIを考慮した感染制御の視点からも有用な情報を提供することが重要である.
参考文献
1) Wong ES:Guideline for prevention of catheter-associated urinary tract infections. Am J Infect Control 11:28-36, 1983
2) Maki DG, Tambyah PA:Engineering out the risk for infection with urinary catheters. Emerg Infect Dis 7:342-347, 2001
3) 石角鈴華:カテーテル関連尿路感染防止対策.リンクナースのための感染防止お役立ちノート(近藤陽子,川上和美著),学研,pp76-83,2006
4) 公文裕巳,津川昌也,門田晃一:尿路感染症Q & A. Q & Aで読む細菌感染症の臨床と検査(五島瑳智子監修),国際医学出版,pp102-107,2005
5) 高橋俊司:環境の定期的細菌検査を廃止して.いまさら聞けない感染対策の常識(藤田烈編纂),メディカ出版,pp196-202,2007
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