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Coffee Break
国際会議で初めての英語発表(その1)
著者: 佐々木禎一1
所属機関: 1元札幌医科大学附属病院検査部
ページ範囲:P.176 - P.176
文献購入ページに移動 学会などで初めて発表する時は,誰しもそれなりの緊張に見舞われるものである.特に国内外を問わず英語で発表する場合は,それはより顕著となる.私が初めて人前で英語で発表したのは,米国留学中(昭和33~35年)に研究グループ内での頻回に行われた実験成果の報告会の時であるが,本格的な英語発表を経験したのは帰国後の昭和38年,札幌医科大学微生物学教室から当時の中央検査部に移籍してからの話である.実はその年,私はPasteur研究所のMollaret教授から「仮性結核菌症に関する第1回国際会議(First International Meeting on Pseudotuberculose)」への参考発表の要請を受けたことによるものであった.
前回でも紹介したように,私は昭和26年から数年間にわたり微生物学教室で各種菌のO抗原多糖体の分析をしており,その中の仮性結核菌Pasteurella pseudotuberculosisのデータを昭和32年Nature誌に投稿した.もちろんNatureへの掲載は極めて難かしいのを私なりに知っていたが,クレームも差し戻しもなく掲載されてしまい,自分でも驚いた.その表題は“T. Sasaki:Monosaccharide composition of the antigenic polysaccharide ofPasteurella pseudotuberculosis rodentium *. Nature 179, 190-191(1957)”であった.
前回でも紹介したように,私は昭和26年から数年間にわたり微生物学教室で各種菌のO抗原多糖体の分析をしており,その中の仮性結核菌Pasteurella pseudotuberculosisのデータを昭和32年Nature誌に投稿した.もちろんNatureへの掲載は極めて難かしいのを私なりに知っていたが,クレームも差し戻しもなく掲載されてしまい,自分でも驚いた.その表題は“T. Sasaki:Monosaccharide composition of the antigenic polysaccharide of
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