icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻2号

2009年02月発行

文献概要

今月の表紙 帰ってきた真菌症・2

病原性Aspergillus

著者: 矢口貴志1

所属機関: 1千葉大学真菌医学研究センター系統化学分野

ページ範囲:P.144 - P.146

文献購入ページに移動
 Aspergillus属は世界各地の土壌,空中,穀物をはじめとする食品など生活環境から高頻度に分離されPenicillium属と並んで最も普遍的な真菌の1つである.その中には,マイコトキシンの生産や,食品の事故原因菌として食品衛生上問題となる菌種もある.また,日本をはじめとする東アジアでは,古くから味噌,醤油,酒など発酵食品の製造に使用されている.

 アスペルギルス症は,Aspergillus属によって生じる疾患の総称である.多くの場合呼吸器が侵されるが,いずれの組織,臓器も侵される可能性がある.肺のアレルギー,角膜,外耳道以外の場合,ほとんどが日和見感染として生じる.主要な病型は,肺アスペルギローマ(pulmonary aspergilloma),アスペルギルス肺炎(Aspergillus pneumonia),アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis;ABPA),播種状アスペルギルス症(disseminated aspergillosis),皮膚アスペルギルス症,脳アスペルギルス症,角膜アスペルギルス症,副鼻腔のアスペルギローマ,耳アスペルギルス症である1)

参考文献

1) De Hoog GS, Guarro J, Gene J, et al:Atlas of clinical fungi 2nd ed, Centraalbureau voor Schimmelcultures, Utrecht, pp442-519, 2002
classification. Harwood Academic Publishers, Amsterdam, pp9-49, 2000
3) Domsch K, Gams W, Anderson T:Compendium of soil fungi 2nd ed, IHW-Verlag, Eching, pp68-99, 2007
species, Centraalbureau voor Schimmelcultures, Utrecht, pp1-116, 2002
, Williams & Wilkins Co., Baltimore, pp1-686, 1965

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?