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文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻2号

2009年02月発行

文献概要

海外文献紹介

フェノバルビタールによる安定で長期の治療が血清アラニンアミノトランスフェラーゼおよびγ-グルタミルトランスフェラーゼ活性に及ぼす影響

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部

ページ範囲:P.153 - P.153

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 フェノバルビタール(Phe)は一般に安全で効果的な薬剤であると考えられている.しかし,肝毒性は稀ではあるが致命的な副作用であり,安定で長期の単一療法を受けている患者における血清肝酵素活性に関する情報はほとんどない.

 著者らはPhe治療を長期間継続的に受けている成人外来患者128人におけるALT(alanine aminotransferase)およびGGT(γ-glutamyltransferase)の血清中活性をPheとともに測定した.対照は年齢・性を一致させた継続的に受診している外来患者2,468人とした.Phe治療者の血清ALTおよびGGT活性は対照者よりも高値であった.また,GGT値は異常であるがALT値は正常である患者の割合は対照者に比べて多かった.最適以下濃度と治療濃度の薬剤投与による患者間に平均活性およびALTまたはGGTの異常割合に有意差は見られなかった.この結果は長期のPhe治療が血清GGTの上昇と関係していることを示唆するものと考えられる.

参考文献

Lippi G, Montagnana M, Salvagno GL, et al:Influence of stable, long-term treatment with phenobarbital on the activity of serum alanine aminotransferase and gamma-glutamyltransferase. Brit J Biomed Sci 65:132-135, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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