文献詳細
文献概要
今月の主題 唾液の臨床検査 総論
唾液のORP数値を限定して“体調度”を確認
著者: 岡澤美江子1
所属機関: 1岡沢クリニック
ページ範囲:P.767 - P.777
文献購入ページに移動 人間の営みはまず口から始まり,排泄に終わります.一人ひとりの体には,それぞれ一つとして同じではない個性豊かな小宇宙の存在を確認する思いです.人間の体(小宇宙)は自然が作った最高傑作だということを実感してきました.私は,1944年(昭和19年)現東邦大学医学部の生化学の研究室に入り薬剤服用の化学変化の臨床研究・実験に着手.生化学教室で唾液を採取して,当時としては貴重な試験薬を用いて体内に起きる薬剤服用の経時効果の実験を繰り返しておりました.この生化学実験から唾液測定が体内の状況を知るのにいかに有効かという手掛りを得ました.大学を卒業し臨床医になって診療に従事していたときも,唾液測定への関心はいつも頭の中にありました.しかし,診療が優先する臨床現場ではどうするかという解決手法が身近にありませんでした.血液がそのまま唾液となるわけではありませんが,唾液は,血液中の成分が唾液の成分になっているので体内を巡る血液と同じ情報を数多く持っていることがわかっています.長年,願っていたテーマに結びつき私の心を揺り動かしたのは,21世紀は酸化・還元の時代になるという研究報告です.地球の環境クリーニングは落雷に起因すると新説を公表する医療機器の研究・開発リーダーで体の酸化度と健康について強い関心を持つ大友慶孝氏との出会いでした.
参考文献
1) 宮西ナオ子:唾液はなんでも知っている!―たった一滴に秘められた,人体の科学.(岡澤美江子・伊藤実喜監修),三五館,pp88-89,2006
2) 岡澤美江子:「唾液の神秘」一口アドバイス,リブアンドラブ,2008
3) 山口昌樹,高井規安:唾液は語る,工業調査会,pp64,1999
4) 米国国立がん研究所:デザイナーフーズ・ピラミッド,1991
掲載誌情報