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今月の主題 唾液の臨床検査 総論
唾液,唾液腺の異常にかかわる疾患
著者: 柿木保明1
所属機関: 1九州歯科大学摂食機能リハビリテーション学分野
ページ範囲:P.785 - P.791
文献購入ページに移動 唾液は,口腔の機能や環境を正常に保つうえで極めて重要であるが,正常な状態では認識されていないことが多い.しかし唾液分泌低下や嚥下障害が生じると,唾液の存在が理解されることとなる.唾液分泌は,様々な因子から影響を受けているが,特に近年は,薬剤やストレスと関連した唾液分泌低下や口腔乾燥症が多くみられることから,単に老化が原因と決めることは避けたい.さらに寝たきりに伴う口腔乾燥や全身疾患の一症状として発現する場合は注意を要する.唾液や唾液腺の異常については,これらの複合した因子を考慮して対応することが必要となる.
参考文献
1) 柿木保明:口腔乾燥症の診断・評価と臨床対応─唾液分泌低下症候群として考える―.歯界展望 95:321-332, 2000
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