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シリーズ最新医学講座・Ⅰ 死亡時医学検査・7
司法解剖,法医鑑定における死後画像検査の役割
著者: 池田典昭1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院法医学分野
ページ範囲:P.835 - P.839
文献購入ページに移動法医学における重要な業務の一つである司法解剖における死後画像検査の有用性についてはすでにいくつもの報告があり,溺死診断における胸部X線写真の重要性については古くよりよく知られている1).また,法医学では死後画像検査を含めた画像検査は古くから法医レントゲン学として研究されており,南アラバマ大学放射線科Brogdon名誉教授の名著である‘Forensic Radiology’2)(法医レントゲン学)は1998年の刊行以来,法医鑑定時の参考図書として広く活用されており,間もなく改訂される予定である.その内容は,画像検査の個人識別への応用,射創の解析,小児および老人虐待の解析,生体鑑定への応用などであり,10年以上前の著書にもかかわらずMRIの利用にまで言及している.これはAiという概念が提唱されるはるか以前より法医鑑定における死後画像の有用性が認知されていたことを示しており,筆者も積極的に利用してきた3).
しかしいかに死後画像検査が有用であろうが,それが司法解剖において万能というわけではない.ここでは死後画像が活用された例をいくつか挙げ,司法解剖,法医鑑定における死後画像の有用性と問題点について述べる.
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