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著者: 濱﨑直孝
所属機関:
ページ範囲:P.120 - P.120
文献購入ページに移動臨床検査は,20世紀半ばまでは,患者の傍らで行われておりました.しかしながら,科学技術の進歩に伴い正確かつ迅速な分析機器が臨床検査領域に導入されることになり,患者の傍らで検査をするのではなく,病院全体の臨床検査用検体を一か所に集めて検査をする方向(中央化された臨床検査)に進みました.特に日本ではその傾向が著しく,わずかな検体量を用いた迅速・正確・精密な検査が,高度な精密機器の普及により全国ほとんどの病院で行われるようになりました.この“中央化された臨床検査”の医療への貢献度は計り知れないほど大きいものです.しかしながら,“中央化された臨床検査”で失われたものもあります.それは,“患者の傍らで,患者の状態に応じて医師が必要な検査であると思う検査を行う検査方法”です.“中央化された臨床検査”では,医師自身が直接関与しない形で検査データが得られるがゆえに,ついつい検査データの解釈が疎かになったりすることも起こるようになってきました.そのような欠点を補うべく普及してきたのがPOCTです.本主題を参考にして,皆様の病院でもPOCTをより有効に利用されることを願っております.
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