文献詳細
文献概要
随筆・紀行
一握の砂
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.1130 - P.1130
文献購入ページに移動 最近の日本人は男性でも平均寿命が大分長くなったと言われている.確かに自分自身も昔は考えてもいなかった80歳超に達し,60歳ぐらいで逝ってしまった両親に比べると思いがけない気がする.しかし昨今昔の仲間にぽつりぽつり先立たれてみると,暮夜ひとり辺りを見回したりする.長く生きるばかりが必ずしも幸いとは言えないが,医療の進歩や社会平和の持続には感謝すべきであろう.
私の年代は戦争につきまとわれ,小学校入学の頃は2・26事件や満州事変があり,中学入学の頃に日支事変,卒業間際に太平洋戦争,そして学徒出陣から大学卒業間際に敗戦とつながる始末であった.それにもかかわらずというか,そのせいというか,仲間との思い出や結びつきは限りなく強く残っている.
私の年代は戦争につきまとわれ,小学校入学の頃は2・26事件や満州事変があり,中学入学の頃に日支事変,卒業間際に太平洋戦争,そして学徒出陣から大学卒業間際に敗戦とつながる始末であった.それにもかかわらずというか,そのせいというか,仲間との思い出や結びつきは限りなく強く残っている.
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