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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻10号

2010年10月発行

文献概要

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あとがき

著者: 片山善章

所属機関:

ページ範囲:P.1204 - P.1204

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 生活習慣病は遺伝的に糖尿病,高脂血症,高血圧症,肥満になる要因をもっていても全く健康であるが,それに食事,運動,喫煙,飲酒などの生活習慣要因が加わって病気が発症する.そのため糖尿病,高脂血症,高血圧の診断・治療のガイドラインが必要である.この診断・治療ガイドラインは医療の標準化,普遍化に必要であり,診断基準となる検査値が決められ,その標準化が必要である.検査値の標準化の1つに基準値範囲の標準化が必要であるが,性差,年齢,生活習慣が影響を与える.したがって,個人の測定値の分布と母集団の分布は異なるので個人の基準値設定が必要である.これは近い将来,患者の生理的状態や疾患の状態,遺伝的背景などを考慮して個々の患者に最適な治療法を設定する“個別化医療”に必要な指標である.

 生活習慣病はその発症において遺伝子要因が重要な位置を占める.つまり遺伝子診断による予知・予防が 重要になる.遺伝的要因を有する患者に対しては生活習慣要因,環境的要因への曝露を極力避けることによって有効な予防対策がとれる.遺伝子要因の検査には遺伝子多型検査が利用されている.遺伝子多型(DNA多型)とはある集団でDNA配列の変異が1%以上生じており,しかもその集団の多数のヒトと異なる場合をいい,生物機能に何ら影響を与えず遺伝マーカーに利用できるものから,疾患の原因や易罹病性に関係のあるものまで様々である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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