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特集 新時代のワクチン戦略について考える 総論
3. ワクチンを考えるうえで必要な臨床検査の知識―抗体および抗体検査の意義と問題点
著者: 駒瀬勝啓1
所属機関: 1国立感染症研究所ウイルス第三部
ページ範囲:P.1230 - P.1238
文献購入ページに移動抗体はB細胞から産生され,獲得免疫系の液性免疫では中心的な役割をもつ分子である.抗体の存在や抗体量を測定する抗体検査は,感受性調査,感染症の診断,ワクチンの有効性の検証などに用いられ,感染症対策に重要な役割を担っている.しかし,特に感染症の診断においては,測定法,検体の採取時期などから測定結果が必ずしも正しい診断につながらないことがある.本稿は抗体の概要を含めて,ウイルス感染症における抗体測定の意義,問題点などについて概説する.
参考文献
1) 国立予防衛生研究所学友会(編):ウイルス実験学 総論 改訂第2版.丸善,pp214-324,1964
2) 多田富雄(監訳):免疫学イラストレテッド.南江堂,pp9-119,1986
3) 大里外誉郎(編):医科ウイルス学 改訂第2版.南江堂,pp211-222,2000
4) 国立感染症研究所HP:感染症流行予測調査,ポリオ抗体保有状況http://idsc.nih.go.jp/yosoku/Polio/Serum-P2009.html(2010年6月21日現在)
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