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特集 新時代のワクチン戦略について考える 総論
8. ワクチンの安全性に関する考え方
著者: 渡辺博1
所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院小児科
ページ範囲:P.1272 - P.1278
文献購入ページに移動ワクチンは一般の医薬品以上に高い安全性が要求される.ワクチンは一般の医薬品と同様,認可までに第I相試験から第III相試験までの臨床試験が実施され,市販後も市販直後調査とその後の市販後調査が実施される.さらにワクチン独自の制度として,厚生労働省による定期接種ワクチンを対象とした,比較的稀で重篤な副反応情報の収集を目的とした予防接種後副反応報告制度,および同じく定期接種ワクチンを対象とした,しばしばみられる軽い副反応の情報収集を目的とした予防接種後健康状況調査がある.また,定期接種ワクチン接種時にも予防接種ガイドラインを介して予防接種不適当者,予防接種要注意者を規定して注意喚起が行われている.
参考文献
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