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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻12号

2010年11月発行

文献概要

今月の主題 脳卒中 総論

脳卒中とは

著者: 小林祥泰1

所属機関: 1島根大学医学部附属病院

ページ範囲:P.1472 - P.1479

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 脳卒中は脳血管の閉塞ないしは破綻によって生じる.虚血性脳卒中には脳梗塞と一過性脳虚血発作(TIA)が含まれる.虚血性脳卒中はアテローム硬化,心原性脳塞栓および細小動脈硬化によって起こる.出血性脳卒中には主に高血圧性細小動脈硬化に起因する脳出血と脳動脈瘤に起因するくも膜下出血がある.外傷性の頭蓋内出血の中には脳卒中と類似した症状を示すものがある.そのうち最も重要なのは慢性硬膜下血腫で,2番目が硬膜外血腫である.慢性硬膜下血腫は特に高齢者で軽微な頭部外傷を誘因として生じ,ゆっくり進行する認知症状などを示すことが多く,診断が大変難しいことがある.硬膜外血腫は頭部外傷後数時間の意識清明期を有する場合には大したことがないと専門医を受診しない場合もあり極めて危険である.それゆえ,強い頭部外傷の際には必ず専門医を受診し一晩観察する必要がある.

参考文献

1) 藤原茂芳,下手公一,小林祥泰,他:家族性と思われるcerebral amyloid angiopathyの本邦での一例:γ-traceの免疫組織化学的証明.臨床神経 28:453-458,1988
2) 小林祥泰,大櫛陽一(編):脳卒中データバンク2009.中山書店,2009
3) 小林祥泰,岡田純,衣川秀一,他:脳卒中で急死した左房粘液腫の1例.北里医学 7:29-34,1977

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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